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過渡期終焉装備サバゲ「DISASTERZ(デザスターズ)」


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2008年05月06日

ハイサイクルアレコレ


今回は電動ガンメカボックスのチューニング?のお話です。

カスタムとかチューニングとか言うと聞こえは良いですが、平たく言えば改造です。改造銃。
法で許されていても(禁止されていなくても)、メーカーさんがやっちゃ駄目って言ってる事を
やるという意識は持っていたほうがいいです。そのあたりは自動車やバイクの改造と同じですね。


個人的に電動ガンメカボックスをいじるのはすごく楽しいのですが、ゲーム活動がヒストリカル
やイベントメインになってきたので今は「ノーマル推奨派」の立場を取っています。
出入りしているフィールドさんのルールも、パワー/サイクル共にノーマル準拠ですので。

ここ5年ほどで改造ブームの衰退や法規制、M14以降の改造しにくい作りなどの影響で
フィールドではずいぶんとノーマル電動ガンの人が増えました。逆に電動ガンのトラブルで
ゲーム続行が出来なくなる人は減りました。


今回は6年前くらいの私のメカボックスを開けてみます。
パーツ構成も6年前に流通していたもので、個人的な良し悪しの評価も当時の
ものに対してです。今はまた違うラインナップになってるでしょうし。


今回紹介するものは、過去のものは過去の時点で、現在のものは現時点で
法に触れるものではありません。メーカー名は敬省略。





ベースはM16A2です。なぜかと言うと、これが一番給弾性がよかったからです。

チームメイトに作ってもらう自作電動マガジンも、メカの配置とかしやすかったようです。
当時のチーム員は皆撃つのが大好きで、結構早い段階から電動給弾を使ってました。




グリップはM16A1のもの。東京マルイのM16A2/M4タイプのものは、薄く作ってあるために
剛性が低く、使っているとすぐに歪んだりクラックが入ったりします。A1のものは厚く
ボテっとしてシルエットは悪いですが、頑丈です(^^

モーターはイーグル模型の1100。
最初は当時新しく出たシステマのハイスピードモーターを使っていましたが、
電圧が20Vを超えるあたりの回転数で内部のコイルが遠心力で切れてしまいました。
(無負荷状態での回転の場合、15Vくらいでも切れる時があります 注意)
当時のシステマモーターはコイルの巻きが不均等で弱かったです。

イーグル模型のモーターはパワーは出ませんでしたが、コイルの巻きがキレイで高回転でも
耐える事が出来ました。1300を使っていましたが、コイルとコミュテーターが炭になって
しまい、1300は高かったので1100になりました。

当時の速さ的には システマ>>イーグル1300>イーグル1100 くらいでした。

ちなみにノーマルモーターも20V前後でコイルが切れます。
それぞれ多少の当たり外れはあるとは思います。





さてメカボックス。赤いのはFETです。チームの電気/電子が出来る人に作ってもらったものです。
「40ボルト60000RPMに耐えるFETだ」と湾岸ミッドナイト風にオーダーしましたが、
なんとかしてくれました(^^;

妙に大きいのはアルミ板が張ってあるからです。FET素子の発熱なんて微々たるものだろう
と考えがちですが、電圧が上がると無視出来なくなり、小さい素子にそれだけの熱量が
発生するのですからパンクしたり最悪熱暴走します。このくらいのアルミ板を素子にリジット
すれば、随分と放熱性は変わるようです。

バッテリーコネクターは4個ついてます。全部直結。8.4Vの同じバッテリーをつなげていたので
定格では28セル33.6ボルトになっていたはずです。内部抵抗や回路ロスもすごいことに
なってて、効率が良いとは言えませんが「トップスピードをとにかく回す」事だけを
目的にしていますので気にしません(-ω-

使っているのはミニバッテリーで、当時高放電型と言われたSANYO(だったかな?)の
500ARです。ラージセルを使った方が20Vで40発/秒くらいまでは良いんですが、
それ以上になると逆に「トルクが掛かりすぎ」てギアの消耗が激しくなります。
なので、あえてミニセルでトルクを抑えて、効率は悪くてもセル数増やして
トップスピード重視です。

オモチャバッテリーと言っても、30V以上はメーカー想定電圧を遥かに超えており
ショートサーキットや電子スイッチのパンクなどは非常に危険です。
私も一度電動ガンが燃えました。炎上(^^;





開けてみました。見た目普通です。メカボックス強化もしてませんし、当時出回り
出した強化メカボックスでもありません。案外大丈夫です。

ただ、軸受けは外径7mmのボールベアリングに交換しています。
当時流行りだしたもので、その後ショップカスタムにも使われてました。

軸受けの穴の拡大は手彫りです(^^;





ピストンはノーマル。でも穴だらけ(^^; たぶん穴による軽量化の意味なんて無いと
思うのですが、この状態で50発/秒以上に軽く耐えるノーマルピストンはすごいです。
というか、当時「市販最強のピストンがノーマル」だったんです。アルミのものはセクター
ギアが折れてしまいますし、ポリカーボネイトでファイバーが多いのものは粘りが少なく
割れてしまい、ナイロンのものは曲がって「舐めて」しまいます。

今は良さそうなものがいくつかあるので、そのうち使ってみたいです。




セクターギア10枚カットで、ピストンストローク6枚分(^^; ストローク長20mm以下(^^;;
スプリングガイドはシステマのベアリング入りです。ベアリング効果はよく分かりませんが
ノーマルだとシャフト部分がスプリングの摩擦で削れてしまいますので、これにしました。




ピストンの背中側もガッポリと削ってみました。これだけ軽量化しといて、ピストンヘッドは
システマのダンパー入りの重いものです。意味ないですね(-ω- こんな適当な思いつきの
仕様で50発/秒以上軽く回るんですから、工業機械並の精度と強度で組めば100発/秒
以上回るんじゃないの?と思わないでもないです。


スプリングはPDIの170%です。10年前くらいにお気に入りだったバネで、
素組みだと2J前後くらいですがノーマルのギアやモーターでも軽く引ける良いものでした。
 (当時関西では「ガスは3.5気圧、スプリング式は無制限」というルールがありました。
  マトモな改造スプリングはPDI製くらいで、170%と190%あたりがノーマルギアと
  強化軸受け程度で引けて、サイクルの落ち込みも少ないバランスの良いものでした。)

ですが今回の仕様ですと0.2gで初速65m/sの0.4Jくらいです(^^;
むしろストローク長20mm以下でこれだけ出たら上等と言えるでしょう。
電動ハンドガンくらいのパワーですね。


銃刀法改正以降は強化スプリングは一気に姿を消しましたので、今ハイサイクル改造を
する場合はスプリングを探すのが大変そうですね。
ショップさんはコンプリートにのみ強化スプリングを使ったりしているようです。


改正銃刀法によるエアガンの規制は「銃の状態で発射可能なもの」に対する規制ですので
スプリング単体や、強化品を組み込んでも実際規制値を超えない場合は法に触れません。

でもそのラインはメーカー出荷状態の少し上程度ですので、ビクビクしながら改造するなら
ノーマルのが無難ですね。壊れてもメーカーにまる投げできますし(^^





シリンダー周り。シリンダーはシステマのNBコート?とかいうものです。
回転が上がるとシリンダーのグリスやオイルが飛んでドライになりやすいので、適当な
コーティングシリンダーが無難です。ここはなんだっていいです。

シリンダーヘッドはシステマのものでダンパーを張替えました。
ダンパーはこれも当時流行ってたソルボセイン。青の普通のものは柔らかく千切れてしまう
ので、白い「軽量ソルボセイン」なるものにしてました。こちらのが硬度が高く強いです。

Ver2メカボックスの弱点として首周りの強度が低いのがありまして、その場合は
金属製シリンダーヘッドは衝撃を吸収せずにメカボックス割れの原因になりやすいです。
ハイサイクル改造でノズルの「振れ」を出来るだけ抑えたかったので、ここでは金属製
にして、ピストンヘッドとシリンダーヘッドのダンパーで衝撃を逃がしてました。

ノズルもシステマのOリングシールのもの。ノーマルだと十字スリットがよく割れました。

一番重要なのがタペットプレート。これはノーマル。逆にポリカーボネイト製のものや
金属製のものはピストン同様ダメで「ノーマルでしか無理だった」んです。


この改造は通常の「壊れたところから強化品にしていく」というものの逆手順で、
「全て強化品にして、都合が悪いものだけノーマルに戻す」という感じでした(^^;





ギア。セクターとスパーはシステマ標準トルク。ベベルだけノーマルです。
焼結金属っぽい強化べべるギアは、同じく社外モーターの強化ピニオンと併用した場合
お互いの硬度が高すぎて「かじる」感じで欠けてしまう事が多かったです。
ですので、ベベルはノーマルです。





6枚だけ残った物悲しいセクターギア(^^; 「前方から」10枚カットしています。

タペットプレートの後退タイミングを増やす加工はしていません。回転が上がると
ピストンの後退速度も上がり、後方吸気ピストンであってもシリンダー内不圧は結構な
ものになるっぽく(推測)、給弾性はそれほど損なわれませんでした。

それよりも電動給弾マガジンの給弾速度が間に合いませんでしたね(-ω-
バッテリーと電動給弾マガジンで大きく重くなっていたので、取り回しも悪いです。



上記メカボックスで、イーグル模型1300モーターの場合、トップスピードは瞬間60発/秒以上
でした(デジタル録音後PC解析)。今ならさらにノウハウが蓄積されているでしょうし、電子制御
関係も面白い事をしている人が多いので、それらを総動員するともっと速く回せそうです。

実際これがサバゲにおいて有利か不利かと言うと疑問がありますが、当時はそれほど
回転の速い改造をしている人が少なかったので、発射音だけでも相手をビックリさせる
事は出来ました(^^;


内部改造ブームがひと段落ついて、今は外装カスタムが主流になり外装パーツも増えて
それはそれで良い感じです。

内部改造も良し悪しで、「初心者より熟練者の方がよく飛ぶ銃を持っている」という状況に
疑問を持ち始めたので今はノーマル派です。他のスポーツですと普通逆ですよね(^^;
そこがサバイバルゲームがスポーツになりきれない部分でもあり、良く言えば
ホビーといえる部分でもあるんですけども。  

Posted by 明日香太郎 at 13:15Gun