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過渡期終焉装備サバゲ「DISASTERZ(デザスターズ)」


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2008年08月27日

職業ミシン


ミシンには大きく何種類かの区分があります。


「家庭用ミシン」「職業ミシン」「工業ミシン」の3つに通常は分けます。



家庭用ミシンというのは、家庭でする程度の縫製が出来るミシンで
雑巾を縫ったり、パッチワークやちょっとした服の修繕などをします。
多機能な電子ミシンですと、小さな刺繍やボタンホールなどを簡単に
出来たりして、プロも仕事場の傍らに置いていたりもします(^^


工業用ミシンというのが、私がいつも使っているもので家庭用との
一番の違いはその大きさです。家庭用ミシンが一般的に卓上ミシン
で、片手で持てる程度のものですが、工業ミシンの場合は「ヘッド」
「テーブル」「モーター」からなり、それらが一体化しているので基本的な
平面スペースで1200x700㎜、重量は60kg以上あります。
私が使う厚手物用などは、モーターのトルクと機構剛性を保持する
ヘッドの重量がさらにあり、80~100kgほどあります。
どちらにせよ一人で動かすのはかなり大変です(^^;
私のミシンはテーブル部分をソードオフし900x700㎜に小型化しています。
ポーチやベスト程度の大きさのものですと、これでも問題ありませn(^^


そんでもって主題の「職業ミシン」というのは、いわゆる家庭用ミシンと
工業ミシンの中間です。(今回は基本的にJUKIのもので話を進めます)
一番の特徴は「卓上でありながら工業ミシン用の針やボビン、備品類を
使える」というところです。
ジーンズショップで裾上げしているミシンなどがそうです。



工業ミシンで薄手から中厚までを縫う「高速ミシン」という部類のもので
「DBx1」という針を使うのですが、これが使えます。ホームユースの場合
一般的には11番、厚手用で14番程度ですが、18番や太いものですと20番
以上のものもあります。このように針の選べる幅が広いです。
ボビンやボビンホルダーも工業用のものを使います。

機能的には針センサー(針を上止点・下止点で止める機構)や、自動糸切り、
フットペダル(最近は家庭用でも増えてきましたが)などがあります。

また、職業ミシンは基本的に直線縫いのみです。千鳥(ジグザク縫い)などが
出来る機構にすると上部アームの剛性が下がり厚手物に向かなくなるためです。
多機能電子ミシンの中では、職業ミシン並のスペックのものもありますがやっぱり
基本は「直線縫いのみのミシン」です(^^


もし戦闘服の修繕や直し以上の、ポーチやベストの改造、または製作を考えて
いて、「工業ミシンを家に置くのはちょっと…」とお思いの方は職業ミシンがオススメです。

今はラインナップも充実していて、必要に応じた機能も選べます。

こちらJUKIウェブサイトの職業ミシンページ。
http://www.juki.co.jp/household_ja/g_introduction/index.html


ですが縫製は「とりあえず針が貫通して糸が通れば良い」というわけでもなく、
生地によって糸調子(上下の糸へのテンションの掛け方)なども変わりますし
ステッチの見た目を重視すると強度が落ちたりする場合などもあり、さらに
絵描きの絵柄、文章書きの文字回しなどのように縫い方にも「クセ」がありまして、
そのクセによって同じセッティングのミシンなのに縫い上がりが違ったり
もします。そのクセはテクニックでどうにか出来ますが、そこになんとなく
各縫製人の「味」みたいなのもあって面白いところです(^^



薄手物の小物や服を作るときにあれば便利なのが「ロックミシン」。
生地の端を糸でクルクルと巻いてホツレ止めをするミシンです。
あまり家庭用としては使わないので、ロックも職業用に含まれる場合もあります。



工業用ロックミシンは、上記の工業用ミシンと同じようにヘッドとテーブルが
一体化しており、だいたいの場合が切りくずを吸い込む掃除機なども一緒に
なっていてさらに幅を取ります。

ロックミシンにはおおざっぱに「1本針2本糸」「1本針3本糸」「2本針」があり、
後者になるほど本格的なものになります。
ホームユースでの私のオススメは「1本針3本糸」のものです。2本糸のものは、
淵をかがる(巻く)糸が1本のため、生地の厚みによって糸調子がかなり違ってきます。
ごく薄い小物や衣類程度ならいいんですが、慣れない人には調整は逆に難しいです。
3本糸のものは、淵かがりに生地の上下各1本づつ糸を使っており、生地厚が多少
変わっても上下の糸に同じように調子(この場合摩擦抵抗など)が掛かるので
それほどシビアな調整が必要ありません。
2本針のものになると、それこそ糸を通したり機構が複雑すぎたりで、これまた
慣れない人には向きません(^^; なので「1本針3本糸」を推します(^^



上記ミシンですと、私はJUKIの職業用直線縫いミシン(針センサーのみ)と、
自分もオススメする1本針3本糸のロックミシンを持っています。

私見ですが、職業ミシンは今はJUKI(ジューキ)がオススメというか、ほぼ
一択なんじゃないかと思います。他社ではブラザーや、一部ジャノメや
シンガーなどのものもありますが、機構や機能など色々選べて、アフターも
安定してそうなのもJUKIが一番です。

作るものが偏っているので、縫製人としても偏った意見ではありますが(^^;


糸切り機能に関して。

ミリタリー装具のような厚手物を縫う場合、テトロン糸(繊維が長く強い)の
30番以上を使うのですが、糸きり機構があってもあまりに強い糸の場合
切れないのです。また、切れたとしても切れ端が汚くからまったり、勢いで
針から糸が抜けたりとあまり良いことがありません。
「装備品を縫う時は糸きり機構は邪魔」と覚えておいても間違いではないです(^^;

カミースのような比較的薄手のものの場合、スパン糸(繊維が短く弱いがしなやか)
などの60番~30番あたりを使うため、糸切り機構は作業効率アップのために
有効ではあります(^^



おわり。

今回はほとんど文章ネタに加えて、普通の人が興味があるのか無いのか
よくわからない縫製関係です(^^;
ガチャガチャとキータイプをするのが好きなので、長文記事は
息抜きみたいなものでもあります(^^;;  


Posted by 明日香太郎 at 13:11その他雑記