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2007年11月11日

コットン生地の縫製


以前も書きましたが、チェストリグやベストなどで生地の折り返しが集中する部分は
生地厚で10mmこ超えてしまうところもあります。

コーデュラナイロンをはじめとするナイロン生地は、繊維が柔らかく面方向への引っ張り強度
を裏面ウレタンコートなどで行っているので、厚くなってもある程度縫えます。

しかしコットン生地の場合は繊維のすべりが悪く、目の間に針が入りにくいのです。
厚みが増せばそれもかなり。

ナイロン等化繊生地は、強度と縫製のしやすさを進化させた生地ということです。
さらに特化させたアラミド繊維(ケブラーなど)は、また違ってきますが。




試作で作ったチェストリグの、ショルダーストラップ基部。
チェストリグの角(折り返しが集中する)に加えて、ショルダー側のストラップもはさみ込んでる
ので厚みもかなりです。

ストラップとベージュの生地の部分はナイロンですが、迷彩生地がコットンです。
この生地が高密度ツイルで割と高品質なだけに針通りが悪く、この画像の状態ですと
かなり辛いです。
手縫い、家庭用、職業用(工業オプションの使える卓上ミシン ジーンズショップなどにある)では
まず縫えません。厚手用の工業ミシンでも針が振って折れるのが怖いんで、手回し(手動)で
いきました。

コットン生地の場合裏地コーティングがされていないのが普通なので、生地端は切りっぱなしだと
どんどん解(ほつ)れてきます。なので、端を折り返すなどをしなければなりません。
さらに、マガジンポーチなど硬いものを出し入れするところに仕様する場合は、表面の耐摩擦強度
が心配です。私は400~800番くらいのナイロンを裏地に使っています。
2重にしたり折り返したりすると、おのずと厚みも増していきます(^^;




こちらは民兵・傭兵装備でポピュラーなコットン装具。中国56式小銃用のチェストリグです。
(ひさしぶりに入荷 デッドストック品2900円です 明日香縫製にて(^^)

これは生産性なども結構考えられたトータルで見て優れた装具です。
基本は直線縫いミシンのみで出来ています。クラッチミシン(モーターに電子スピードコントローラ
が付いていない コントロール性が悪い)や足踏みミシンでも効率的に縫えるように、複雑な
工程も避けています。

金属部品もワイヤー加工のもののみで、別途に治具(ジグ)が必要なホックなども使用せず
木のボタンです。ボタンホールや腰ひもも、同じ生地を短冊状にしたものから作られています。

また、生地自体も目が粗く、日本で一般的に言う「良い生地」ではありません。
しかし、目の粗さは針通りの良さにも繋がりますし、繊維自体は太く頑丈なものですので
ミリタリーユースでも問題ありません。なにより材料が安いのがいいです。
(同様の材料を日本で探すと逆に高く付きます(-ω-)

つまり最低限の工業設備のある地域で製造が可能です。中国内の生産状況にあわせてますね。

伊達に数十年作られ続けていたものではありません。



今手に入るロシアンカモの生地がコットンなだけで、別にコットン生地にこだわっている
わけではありません(^^; もちろんナイロンにはない独特の風合いはありますけども。
ロシア製の迷彩生地はなぜかコットンばかりです。というか、ベスト類などは基本的に
戦闘服の生地と同じ生地を使っています。

ロシア製のナイロン生地を見てもそれほど品質は良くないですので、ナイロン生地精製
技術は低いと思われます。合成繊維の場合、温度による性質変化や、大量の溶剤を
使うので、極低温地域が多いロシアでは製造に向いてないのかもしれません。

もしくは「戦闘服と同じ生地のが効率的!」みたいな考えなのかもしれません。それでも
迷彩パターンが多すぎると思うのですが、パターンを揃えるという考えも薄いようなので
これはこれでいいのかな?(^^;;


私の縫製品の話に戻ると、コットンで作ると完成したモノの割に値段が高く感じてしまうのも
あります。仕入れコストを考えるとコットンの迷彩生地でもナイロンとそれほど大きくは変わりません。
加えて、裏地を使ったり工程が面倒だったりするとまた単価が上がります。

ナイロンの迷彩生地(先日の記事のロシア「NATO」カモ)もあるので、比較的リーズナブルで
使い易く軽いものはそちらで作っていこうと思います。



(このブログに関して)

昨日今日とアクセス数が多かったみたいなので、今日は個人的な事を書きました。
マニアックな縫製関係はいつもアクセス数が少ないのです(-ω-;
装備品関係好きな人は、輸入装具などの縫製手順なども非常に面白いポイントなので
今日のような記事を通じてそういった部分を見てみるのも一興です(^^
米製ですと、初期のイーグル・ブラックホーク、それにハイスピードギアが面白いです。

普段の記事は私が書ける範囲である程度「読み物」的になるように心がけています。


よく「詳しいですね」などといわれますが、実は殆どの場合記事内容を書くその場で調べて
います(^^; 記憶はやっぱり曖昧で、このブログの場合でも恐縮な事に資料的に見ていただいて
いる方も居られるようなので、憶測で書くにしてもある程度説得力は居るかなと思いまして(^^
(外国の兵隊の装備なんて実際目で見る事が適わないので、ほぼ憶測ですが(^^;;)

さらに、こういった亜流装備系の場合今まで交流が少なく情報の伝達が遅かったので、
ブログ記事の内容を通じてコメントにてより詳しい人の情報を引き出そうとしています(^^
そしてそれは記事とコメントを見た方の情報となり、情報が集まればまた違ったものも
見えてくると思います。

ですが、「この装備はこう!」みたいな画一的な流れは私自身が苦手なんで、出来れば今の
サバゲでの民兵装備のようにある程度のゆらぎみたいなのは欲しいですね。遊びなんですし。
もちろん情報としての正確さは追い求めてしかるべきだと思います(^^