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過渡期終焉装備サバゲ「DISASTERZ(デザスターズ)」


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2009年03月11日

MP-44(StG44)


MP-44(StG44)のトイガンがそろそろ出回りだしました。

ショウエイの電動ガンキットをコピーしたものです。
海外メーカーは何でもかんでもコピーしまくりですが、最近は随分マニアックな
モデルも製品化するようになってきました(^^;




最近の海外商品はパッケージもキレイです。以前はただのダンボールが多かったです。

MP-44ってスマートに見えますが、ずいぶんデカイです。
グリップ・レシーバー周りのボリュームはG3よりあるくらいですね。





MP-44というとナチス・ドイツが開発したセミ・フルオートマチックが可能な
自動小銃です。終戦直前にアサルトライフルの語源となるSturmgewehrの
略称StG44という名称に変更され、その後はそちらが正式のようです。

初期型MKb-42のMKbはマシンカービンの略称。
過渡期のMP-43/44はマシンピストルの略称。

アサルトライフルに相当する銃種がなかったため、色々試行錯誤していたようです。


フルオートマチック射撃や、ピストルグリップ化も軽機関銃や単機関銃で
当時すでに実用化されていて、「フルオート可能な自動小銃」というのも
ロシア(ソ連)のトカレフSVT-40セミ・フルオートマチック版が先にあるので
世界初というわけでもないです。

何が特別かというと、その弾丸です。拳銃弾と小銃弾(当時の)との
間のスケールをカバーするカートリッジ「7.92x33㎜」の採用です。

似たような弾丸としてアメリカM-1カービンの30カービン弾がありますが、
こちらは威力が低すぎるという点でイマイチ普及しませんでした。

7.92x33㎜はアサルトライフル用カートリッジの基本スケールとしての
指標を示したと言えます。


その後真っ先に「アサルトライフル」というジャンルに目をつけたのが
ロシア(ソ連)で、戦後すぐのAK-47へと(ジャンルとして)続きます。

欧米諸国は「小銃はライフルストックでなければならない」という概念に
とらわれピストルグリップ化が随分遅れてしまい、さらに欧米の近代的な
自動小銃さきがけたるFN-FALでも当時アメリカが拘った.308の採用
によりアサルトライフルへの道からはずれ「バトルライフル」という
ものが長く欧米諸国の主力となりました。

「アサルトライフル」となるのは.223を採用したM-16やFNC以降の事です。


前述のSVT-40も照らし合わせればバトルライフルに分類されます。

他国よりも早くアサルトライフルという銃種に目をつけたロシア(ソ連)の
判断は先見性が有ったとも言えます。

戦後西ドイツ軍でさえ結局はG3などのバトルライフルを経由しています。



ナチス装備に関してはもっと詳しく解説している方が沢山居られるので
さわり程度にとどめておきまして、なんで新製品だからといってMP-44(Stg-44)
なのかと言うと、WWⅡ後に案外民兵や第三国銃器として現代まで
使用されているところです。

「ちょっと渋めのチョイスの民兵装備」にはピッタリなんじゃないかと(^^


二次戦後にはユーゴスラビア・セルビアで旧ナチスの銃器のいくつかが
製造されていました。M-53軽機関銃などが有名で、これはナチスドイツMG-42
の同型品です。

Stg44がユーゴスラビアで製造されていたかどうかは調べが付きませんでしたが、
少なくとも戦中ドイツ生産型のStg44がユーゴスラビア軍において使用されていました。
M53(MG42)製造ノウハウと一緒に現物で来たものなのかもしれません。


(Stg44を携行するユーゴスラビア空挺隊員)

ユーゴスラビアにおてもアサルトライフルの全面採用はAKライセンスコピーの
M64/70以降ですので、Stg44が軍内にありながらそれの実用性に着目しなかった
のかが気になるところです。

あとカートリッジはどうしていたんでしょうね。



他にはソ連が支援していたアフリカの国に、東ドイツよりStg44が供与されていたようです。
同様にAKM化後に旧式となったAK-47の多くも何らかの経緯でアフリカに流れています。



ユーゴスラビアにおいても70年代以降に自国製のアサルトライフルが普及したのに
従い、不要となった旧型のStg44はアフリカの当時の友好国に譲渡したそうです。

アフリカの武装組織でM64/70とStg44が一緒に使われているのは、同じルート
だからというのもあるんですね(^^


東ドイツ、ユーゴ以外にも、チェコスロバキアにおいてもStg44は使用されていたようで、
それらも60~70年代以降に小銃が更新されるのに従い放出され、ヨーロッパや
アラブ・イスラム地域の第三国に流れ、今の民兵使用に至ります。



現在StG44はSSDというドイツのメーカーによってセミオートマチックバージョン
が復刻モデルとして製造・販売されています。



同社はMP-43やMKb-42までラインナップしており、スポーツライフルメーカーという
よりナチスマニアのドイツ人の会社っぽいです(^^;

同社により7.92x33㎜(8㎜Kurt)カートリッジは現在も製造されています。


マニア向けのカートリッジは正規メーカーが作っているとしても、民兵がいまだ使用
しているStG44のカートリッジはどこで作られているんでしょう。

とりあえず売れるものなら何でもと、中国あたりが作っている気もしますが(^^;

二次戦後ソ連経由で中国入りした一部のStG-44やMG-34/42はそのまま
ベトナムまで行ったという話も聞きますし、武器のスーパーマーケット中国
ならやりかねないように思います(^^;;



トイガンのMP44は海外でも人気なようで、ファーストロットは即完売していました。
日本流通も初回はかなり少なそうなので、早く手にしたい人は急いだほうが良さそうです。

ただ海外製品の今の平均クオリティでは「そのまま普通に使えるもの」「手間を
掛ければ使えるもの」「全く使い物にならないもの」などが混ざっており、そのあたり
は注意すべきポイントです。

逆を言えば、手間掛けないと使い物にならなかった20年前のトイガンっぽくて
楽しめるポイントも多いとも言えます(^^;
そのあたりが面白いという方で、MP-44が好きという人にはオススメですね(^^

MP-44を発売するAGM社の前作MP-40(シュマイザー短機関銃)は、とりあえず
弾は前に出ますが、チャンバーユニットに組み付け不良が多くホップが掛りにく
かったり2発装填が頻繁に起こったりする個体がありました。


これだけ書いておけば「言われているほど酷くないじゃない」となって結果オーライ
かなと(^^;

「安価でフル金属&木ストックのすばらしい製品!」という目前情報のみで
買うと落胆する人も居るかもしれないので(^^;;  
タグ :AGMStG44MP44


Posted by 明日香太郎 at 12:57Gun