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2007年05月28日

AN-94アバカン

アブトマットニコノバ1994。ニコノフさんのAN-94ライフルです。


AN-94アバカン
("AN-94")

AK74Mからの流用パーツのせいでシルエットはカラシニコフに似てますが、全く違う銃です。
マガジンとグリップとフォールディングストック基部(ロックパーツ?)とその他何点かが
AK74Mと共通らしいです。

一応ロシア軍に正式採用されていますが、ガンショウや新型銃器紹介以外のメディア露出は
ほとんどありません。実戦部隊ではやはりAKがメインのようです。


シルエットも微妙にヘンテコではありますが、一番の特徴は独特な機構の2点バースト機能です。
銃身軸の一つ下にサブチャンバー(的なもの)があり、装填されたカートリッジと別にもう1発の
カートリッジがマガジンより銃側に装弾されます。

動画でマガジンローディング後にボルトハンドルを2回引いている場面が見られますが、やはり
サブチャンバー分の装弾と合せて2回なのでしょうか?ですが、それだと下記フルオート射撃後
にはサブチャンバー装弾がされなくなりそうですし、このあたりの機構はまた調べておきます。

さらにバレルがレシーバーに固定されていません。フロント方向へスプリングテンションによって
押し付けられていますが、射撃時にはカートリッジ1発分ほど後ろに下がります。
バレル自体が少し後退している間に、ボルトは完全後退→サブチャンバーの弾を再装填→激発と
いう動作をします。その発射レートは1/30秒ですので、実銃短銃身としては超高速の部類です。
体感的にほぼ1回の反動で2発発射する事が出来ます。ほとんど弾道の違わない2発の弾丸
は、目標にヒットする確立を飛躍的に上げる事が出来るという事です。

このあたりの機構を詳細に紹介している資料は少ないのですが、以前GUN誌か海外サイトで
見た記憶では、バレルと直接ロックする大型のボルトの中に、ボルト内にあるサブチャンバーから
のみ装弾する小型のボルト(ストライカー・エキストラクター等閉鎖機構部分は大型ボルト共用化)
が入っているような構造だったと思います。

AN-94のセレクターはセミオート・2点バースト・フルオートの3ポジションです。
2点バーストは上記の超高速2点バースト。フルオートは高速バースト2発後に1/10秒レート
のフルオート発射に移行します。初弾と二発目間のみ超高速作動で、二発目と三発目間以降は
通常レートのフルオートマチックになるという事です。
このローサイクルのフルオート射撃は上記の大型ボルトのみの後退→閉鎖→激発サイクルだと
思われます。大型で重量のあるボルトと可動バレルとのロック機構によって、フルオート射撃時
においても自動小銃としては扱いやすいローサイクルを達成しています。


AN-94アバカン

AN-94は独特な外観をしていますが、もちろん正式採用銃の条件をクリアしています。
この画像のように銃剣も装着可能。右90度に振って装着します。
マガジンもよく見ると右側に若干振っています。これは前述2点バースト機構によるものだと
思われます。
又、グレネードランチャーも装着出来ます。バレルが可動なので、ハンドガードからのみの
取り付けだと思われます。

AN-94アバカン

AN-94を分解すると見えるように、この銃には滑車とワイヤーが組み込まれています。
これがどう作動するのかはよく分かりませんが、先進的なのか古臭いのかよく分かりません(^^;

フラッシュハイダーは変わったお団子型。銃身軸の上方向にオフセットした団子が二つ。
この団子部分の内側で発射ガスを回転させマズルからの吹き出しを遅らせ、ガス作動圧力を
維持する構造のようです。

分解状態でグリップとトリガーアセンブリが独立しているのが分かりますが、これは保管状態では
グリップ・トリガーアセンブリを取り外して別にしておき、実働する小銃の流出を防ぐための
機構のようです。兵士が勝手に小銃を持ち出して使用する事が出来ないように。

AN-94の通称は「アバカン」です。アブトマットニコノバをロシア風に略したのかと
思いきや、AN-94の開発・試験を行った「アバカン村」からその通称は付けられたようです。
ロシアではブランドや物品の愛称などに地名を付ける習慣があり、アバカンもその一例のようです。


AN-94開発者のゲナディ・ニコノフ氏は2003年に亡くなられています。
カラシニコフ氏といい、ロシアの銃器・兵器設計者は高齢な方が多々居られます。

親戚がロシアで働いている中国人の友人に聞いたところによると、ソ連時代中期以降に成人した
ロシアの方々は共産・社会主義の影響によって「働いても働かなくても一緒」という意識が強く
民主化が進む現在でも就労意欲が低いとの事です。
なので、戦中派の設計者が晩年まで現役でありつづけなければならなくなったのかもしれませんね。




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Posted by 明日香太郎 at 10:30 │ロシア連邦装備
この記事へのコメント
こんばんは^^

ロシアの近代的な小火器は、風変わりな機構やデザインの物が多いですね。
AVAでAN-94とKBP PPー2000を使っていますが、デザインが特徴的で面白いので、飽きずに使えそうです^^;

SR-2Mも使いたいのですが・・・。
兵器市場で、9mm×21弾は、出回っているのでしょうか(笑)
エアソフトガンでも、作るメーカーが出てきてくれると嬉しいです。

東側のPDWを見ていると、デザインやサイズが、PM-63をベースに作っているのかな、と感じることが多いですw
Posted by 通りすがり at 2010年07月24日 17:57
こんにちは。


変則的な弾は欧米でも絶滅しつつありますね(^^;

今の拳銃や短機関銃のボリュームでは9x19mmの装薬量で
十分なんでしょう。海外輸出も考えてか、ロシア製の短機関銃
でも9x19mmばかりになっちゃってますね。


ロシアは80年代に今の基礎となる短機関銃を作るまでは、
PPSh/PPSから全然作っていませんでしたね。唯一PDW
的なものはAKS-74Uくらいでした。

連邦の他の国ではスコーピオンやWz-63、PM-63など独自に
作っていましたので、今のロシア製のものはそれらの影響を
強く受けているというのは間違ってないと思います(^^
Posted by 明日香太郎明日香太郎 at 2010年07月26日 12:57