アラブログ！(arablog!)

（画像：前回と同じニュースサイト）

前回のエグゼクティブアウトカムズがＰＭＣの先駆けであったのは確かですが、「公的機関との
契約」という枠で見ると、反政府側にも加担しているので今のＰＭＣの定義には当てはまりません。
それに「独立と自由の手助け」や「国家の平穏を守る軍隊の教育」などと言うと聴こえはいいですが、
人々に銃の扱いを教え、銃器自体も調達販売していたため結果的には自社の利益の為に戦火を
拡大していた事になり、決してフリーハンドで賞賛される企業ではなかったように思います（私見！）。

これらから発展したＰＭＣが陽の目を見たのはやはり現在進行中のイラク戦争です。

（以下"誕生"からズレます）
イラク戦争では現在1万人以上、累計2万人以上のＰＭＣ職員が駐留しています。
業務内容は前述通り要人警護と施設警備です。ここで名目である「警備員」が生きてきます。

ＣＮＮやＢＢＣをチェックしている人はよく耳にする報道「イラクで警備員が殺害されました」です。
警備員と言うと日本では警棒程度、欧米でもピストルや良くてショットガン。警備をしている
一般人がテロリストに殺害されたというイメージ操作だと思われます（たぶん！）。
ですが実際これはＰＭＣ職員であり、ピストルやショットガンはおろか自動小銃や機関銃に
最新装備に身を固めた元特殊部隊員などの「武装警備員」であり、報道からイメージする
テロリストによる一方的な虐殺ではないでしょう。

又、ＰＭＣは一般人であるために「米軍の戦死者数」にはカウントされません。
兵士の戦死者数が増えると、国内の反戦派運動が激しくなります。それを防ぐ意味合いもあり、
さらに一般人が多数殺害されているという事で「反米勢力＝悪」の図式を強調します。

世界的な民主化の流れで、戦争をも国家の政治活動というより、経済活動のひとつになりつつ
あるといったところでしょうか。そう考えるとＰＭＣの存在は今後の戦場には欠く事の出来ない
ものと言えます。

戦闘術に長けた死をもいとわない者が戦争をし、戦争をしたくないものは兵役を免れる。
戦争が政治活動における必然と考えると、これは理想的な形態なのかもしれません。
ですが、こういった形態を選べない立場の国や人々が世界の大半だという事も事実です。

おわり（明日香太郎）